【台南】「國定古蹟臺南地方法院」日本統治時代の象徴的建物

2021年4月14日台南, 歴史的建造物

 今回は台南にある日本統治時代の建物です。「國定古蹟臺南地方法院」という史跡ですが、私のお気に入りの建物のひとつです。朱色のレンガ、コンクリートの白、屋根のうぐいす色の色合いが非常に美しく、東京駅を思い出してしまう日本人にはお気に入りになる建物ですよ。

國定古蹟臺南地方法院基本情報

史跡名:國定古蹟臺南地方法院

住所:台南市中西區府前路一段307號

営業時間:9:00-17:00(月曜日休み)

ホームページ:http://tnd.judicial.gov.tw/hs/

入場料:無料

設計者:森山松之助

地図:

國定古蹟臺南地方法院の歴史

1896年 台湾総督府法院条例公布

1898年 二級二審制施行

1912年 新庁舎落成(現國定古蹟台南地方院)

1945年 台湾台南地方院へ改称

1991年 国家二級古蹟

2005年 國定古蹟

2016年 修復完了、一般公開

訪問記

場所は、府前路沿いにあります。ちょうど台南市美術館2館と道路を挟んで対面にありますが、近代的なデザインと対照的に、バロック様式の建築が非常に重厚感があります。

こちらが建物の正面ですが、ドーム型の屋根が東京駅と似ていますね。設計者である森山松之助は東京駅を設計した辰野金吾に学んでいたこともありますので、全体的な外観もどことなく東京駅と似ています。辰野式建築様式といった方がよいのかもしれません。台湾にある同時期に建てられた建築物は、辰野式のものが多いですね。

入り口の部部には。大きく長い柱があります。

柱の上部には、深く振られた装飾物があります。重厚感の中にも細かな装飾にこだわっている設計になっています。

ドーム型の屋根を横から見ると東京駅は楕円形ですが、こちらは、円を半分にした形状になっていますね。

永福路一段と府前路交差点からみた建物全体です。よこに長いことがわかります。存在感がかなりあります。現在の外観ですが、実は、修復前と少し形が違います。

こちらが日本統治時代の建物の写真ですが、右側に塔があったことがわかります。この点を除けばほぼ同形状ですね。

こちらが日本統治時代の建物の模型です。

次に細部を見ていきましょう。屋根はうろこ状となっています。丸窓がありますがこれはドマーというもので、風通しのため、切妻屋根に付いています。気候の暑い地域ではよくある設計のようです。

それでは建物の中に入っていきましょう。まずは、入口部ですが、細かな装飾が施されています。

中に入るとちょうどドーム型屋根の下の部分のところになります。4隅を3本の柱を1組で計12本の柱で構成されています。柱の下と上の部分にも装飾があります。

ドーム型の屋根の部分の天井部を見てみますと淵と円の4隅のところに細かな装飾があります。ただ中国式藻井ですともっと派手ですが、その点が少し違いますね。

入って右手側を見てみると、通路があります。その前に3本を1体にした柱があります。近くで見ると、細かな装飾があるのがわかりますね。

通路の屋根部ですが、見た瞬間、まだ修復中なのかと思ってしまいますが、白い部分は採光窓です。外からの光を取り入れる光の窓が各所に設置されています。

柱がむき出しになっている部分は、マンサード屋根の構造がよくわかるようになっています。外から見るとこのような感じになっているのはわからないですね。

展示物を見ていくと、設計者の森山松之助の紹介がありました。

台湾で森山松之助が設計した建物が紹介されていました。一番有名なのは台湾総督府かもしれませんね。ここ台南では、國立臺灣文学館(旧台南州應)が一番有名ですね。

國立臺灣文学館のブログ記事はこちらにまとめてあります。

建て替え前の明治29年時点での建物。以前の建物は、建て替え後と全く外観が違いますね。

台南には多くの日本統治時代の建物がありますが、日本人が気に入る建物であることは間違いなしだと思います。府前路を歩いているとその存在感が気にならない人はいないですね。
また東京駅との比較記事はこちらでまとめてありますので、参考に見て頂けたらと。

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